今回はそんな方にむけて、MATE.BIKEが販売するe-bike「MATE X」について正直な感想を述べていきたいと思います。
入念に調べないと出てこないような「闇」情報もあるので、ぜひ参考にしてください。
記事を読むのが面倒な方は動画でも解説しているので、御覧ください。
Contents
MATE.BIKEについて
MATE.BIKEは2016年にデンマークで設立され、ChristianとJulieという二人の姉弟によって設立されました。
2016年に初代「MATE」をリリースし、クラウドファンディングで7億円を、2018年7月に「MATE X」をリリースし、同様に19億円を集めました。
そしてこのクラウドファンディング、ヨーロッパ史上最も成功したものとなりました。
クラウドファンディングでのし上がってきた会社ですね。
MATE X 基本スペック
- 発売日
- 価格
- 重量
- バッテリー
- ドライブユニット
- アシスト走行距離
- コンポーネント
- ブレーキ
- タイヤ
- サスペンション
- その他機能
公式スペック
MATE X 250 | |
発売日 | 2021年4月頃(欧州2018年) |
価格 | 330,000円(税込み) |
重量 | 28.5kg |
ドライブユニット | バーファン※ |
アシスト走行距離 | 最大80km |
コンポーネント | ALTUS(外装8段)※ |
ブレーキ | 前後機械式ディスクブレーキ※ |
タイヤ | 20×4.0インチ |
サスペンション | フロント・リアサスペンション装備 |
その他機能 | ウォークアシスト機能装備 |
※は後ろに訂正情報あり
発売日
2021年4月頃
日本では2021年4月ころですが、欧州では2018年に発売されています。
カラー
カラーバリエーションは豊富です。
価格
330,000円(税込)は正直高い
同価格帯で世界的に有名かつ信頼度の高いtern vektron S10T(ライト装備、パーツグレードも2段階ほど上)が購入できてしまう。
更に、ナオッキィの愛用するBESV PSF1(パーツグレードはほぼ同等)よりもかなり高い価格設定です。
BESVについて気になった方はこちらで解説もしていますのでよかったら御覧ください。
重量
28.5kgは正直重すぎる
確かに折りたためば、展開状態よりは持ちやすいかもしれませんが、通常のママチャリの重量が約20Kg。
それを考慮すれば、28キロオーバーのものを持って階段を上がる、気軽に持ち運ぶなどということが容易でないのは想像に難くありません。
ドライブユニット
バーファンは信頼性はありそう
日本ではあまり見かけない中国のメーカーですが、デ・ローサのe-bikeにも使用されているようなので海外では一定の信用を得ているのかもしれません。
注)訂正情報が下部にあります。
アシスト走行距離
一応、最大80km
なぜ「一応」なのか、というのも走行距離はバッテリーの容量、性能と切っても切れません。
しかし、公式のスペック表をみると、バッテリーがSamsung/Panasonic/LGとなっており、おそらくロットや相場によってランダムにバッテリーガチャをひかされる様子。
更にこのドライブユニットは5段階でアシストパワーを調節できるのですが、各段階での最大アシスト距離が未記載により不明です。
スペック表の記載の詳細さだけで信用性は測れませんが、やや不親切感、不信感が残ります。
注)訂正情報が下部にあります。
コンポーネント
ALTUSはややスペック低い
一応シマノですが、33万円を超えるバイクなのでせめてもう1段階はグレードを上げてほしいという気持ちはあります。
ブレーキ
機械式にやや不満あり
ディスクブレーキは良く効きますし、グラベルなら欲しいところです。
一般に機械式は引きが固くメンテナンス頻度が高いが、メンテ自体は楽で値段も安い、一方油圧式は引きがなめらかでメンテ頻度が少ないが、時間がかかり、高価という特徴があります。
そして、実はMATE X(欧州モデル)はこの油圧式が採用されています。
33万を超える高級バイクなのに、なぜ日本だけ機械式なんだ?という疑問を抱かずにはいられません。
タイヤ
オフロードでも安定しそう
タイヤ幅約10センチとそこそこ太いです。
これぐらいあればオフロードでも走破可能かなと思います。
ただ、動画でオフロードを走れるような代物じゃないとコメントがありました笑。
サスペンション
フロント、リアサス装備はいい
おそらくフロントサス、リアサス両方を装備している折りたたみバイクはないとおもうのでここは魅力だと思います。
ただサスペンションの性能はピンからキリまでありますから、ここも自社製なのか、どこかのメーカーのものかなどの説明がほしいところです。
その他機能(ウォークアシスト機能)
これは法的にOKなのか?
そもそもウォークアシスト機能とは人が乗っていない状態で、電動自転車等、重い自転車を動かす際にモーターが駆動し移動をアシストする機能です。
現行道交法上、時速6km以下であり、ウォークアシスト作動時にはサドルが使えず(物理的に斜めになる等)乗車できず、自転車から離れるとモーターの駆動が止まるという3つを満たす必要があります。
しかし、ウォークアシスト時の速度、サドルが乗車不可になる機構、自動停止機能どれも不明であり、正直あやしいです。
スペックについて聞いてみた
実は詳細な情報を得るためにメールにて東京直営店に問い合わせてみました。
すると以下のような結果に。
記載 | 訂正 | |
バッテリー | 48V 14Ah | 48V 14.5Ah |
バッテリー製造元 | Samsung/Panasonic/LG | Samsung |
ドライブユニット | バーファン | 非公開 |
ディスクブレーキ メーカー |
不明 | TEKTRO社またはZOOM社製 |
コンポーネント | シマノ ALTAS | 一部 SRAM X-4 |
バッテリー容量
これに関しては誤差かなという感覚です。
バッテリー製造元
現行品はSamsungとのことですが、その旨記載されていません。
また、予告なく仕様変更になることもあるとのことでした。
ドライブユニット
これについては一転して、非公開。
一体どこのものを使用しているのか。不信感がやや募ってきます。
ディスクブレーキメーカー
これについてはメーカーが明らかになりましたが、それにしてもZOOMは聞いたことのない社名でした。
コンポーネント
ロットによってSRAM X-4が装備されているものもあるそうです。
このあたり、コンポを予告なく変えていいのかという自転車乗りとしての根本的疑問が生じざるを得ません。
クラウドファンディングの闇
今まで書いてきたように、公式ページのスペック記載やウォークアシスト機能についての情報が不足しており、更に他の方のレビュー等でも微妙にデータがずれている。
このような事態の理由は、CAMPFIREのクラウドファンディングで販売されているものと日本の直営店で販売されているものの仕様がやや異なっているたためでした(今まで紹介したのは直営店販売のものです)。
クラウドファンディングの日本での成功
クラウドファンディングで約1億8600万円を集めたMATE.BIKEは、ある特典を用意していました。
それが定価48%OFFの159,000円という格安価格での販売でした。
あ、損したなぁ、こんなことならクラウドファンディングで買えばよかった、と思ったのもつかの間。
とんでもない事態が発生しました。
クラファンの苦情
- 発送の遅延
- バッテリーのみの配送
- 付属品が届かない
- スポーク位置の不備
- ケーブル位置の不備
- 溶接、外観
- バイクにスロットル装備
発送の遅延
2020年8月に届くはずが大幅に遅延し、2021年4月頃からようやく届き始める
これについてはコロナ禍もあり仕方がないところではありますが、ユーザーへの適切な報告・説明等なされていなかったのではないかという疑念が残ります。
尚、実機については一応届いてきてはいるようです。
バッテリーのみの配送
本体が届くはずなのに、バッテリーのみが到着した
これについてもバッテリーのみ危険物として別配送とした可能性もあるのでなんとも言えないところかもしれませんが、ただでさえ納品が遅れている以上、やはり説明不足なのではと、上で述べたスペック表などのいい加減さから勘ぐってしまいます。
スポーク位置の不備
スポークの位置が不自然で、ディスクブレーキのディスクに干渉しそうなほど不自然に近い
これについてはホイールに欠陥があったのか、偶然不良品だったのか、そういう仕様なのか判然としません。
ケーブル位置の不備
ケーブルの位置がブレーキに近く切れてしまった
ケーブルの取り回しが良くないのか、謎が深まりますが、きちんと整備されて出荷されているのでしょうか。
溶接、外観
溶接が雑
日本の直営店のものに比べ溶接が荒い個体があったというものです。
バイクへのスロットル装備
公道走行不可能なモデルの出荷
公道走行可能なモデルを注文したはずなのに、スロットル(公道走行不可)が装備されていたというものです。
端的に言えば、漕がなくても勝手に進む電動バイクと同じようなものですね。
これは当然に違法ですし逮捕される恐れもあります。
そもそも何も知らないであろう公道走行可能モデル購入者に、違法な仕様のものを送るというのはどうでしょう、正直酷い。
しかも謝罪はほとんどなしということでした。
日本直営店の対応
以上のような苦情が直営店に殺到し、日本の直営店はどう対応したのでしょうか。
対応
ホームページ上部の灰色の文字をよくみると、『MATE.BIKE JAPANはMATE.BIKE本国のCAMPFIREキャンペーンの問い合わせは受けかねますので、問い合わせはMATE.BIKE本国までお願い申し上げます』とあります。
つまりMATE.BIKE JAPAN販売品と本国のCAMPFIREキャンペーンによる販売品は無関係なので私は知らないということなのです。
これにはクラファンの購入者もビックリです。
さらなる問題
しかし問題はこれにとどまりません。
上記のように「MATE.BIKE JAPAN販売品と本国のCAMPFIREキャンペーンによる販売品は無関係」とするならば、電気系統、車体部分、ワイヤー等の故障・破損に対して日本直営店が対応してくれるのかも微妙だということになりかねないということです。
しかも、このような数々の失態は過去にヨーロッパのクラウドファンディングでも問題になっていました。
2018年にヨーロッパで問題を起こしておいて、全く同じことを日本で起こしている…。
MATE.BIKEの印象
ビジネス先行型・ユーザー軽視
こういった印象としか言いようがありません、正直お粗末すぎてあまりにもひどい。
自転車好きではない人がやってるんじゃないのかと思わざるを得ません。
結局買いなのか
ほしいのかよ!というツッコミが想定されますが、折りたたみオフロードe-bikeというジャンルが他にないので、その点での魅力はあります。
実際に田舎の砂利道などこれで走ることができれば楽しいともおもいます。
しかし、対応等種々の問題点を含めて考えると、33万円をだす価値はない。
それでも見た目が好みでどうしても欲しい、自分の目で判断したい、どうしてもこのバイクに乗りたい、ここまでの情報を見た上でも欲しいという方のみ購入してみればいいかと思います。
最後に
単に通勤用のe-bikeが欲しいという方ならば、10万円以下のe-bikeでも良いものはあります。
自分にあった自転車を選ぶことのできる目を養っていくことが大切ですね。
僕の「e-bikeの選び方」や「オススメする10万円以下の折りたたみe-bike」に関する動画もありますので、興味のある方はぜひご覧いただけると嬉しいです。
以上になります。
これからも自転車情報など発信していくので、引き続きよろしくお願いします。